「山科の記憶」に重ね、

2015年03月31日 01:32

この桜は

一体ここで

何年生きて

来たのだろう

と思わず

聞きたくなる



咲きたての淡く薄い花びらが

小刻みに風に揺れる様を見ていると

余りにも可憐で美し過ぎるからだ

若木の桜も老樹の桜も変わりなく思うけど

何故か古木が咲かす花は慈愛に満ちて見える



ここは山科、山科川の辺

いつもは卯月に入り、開花を見かけたが

今年は一気に咲いて、すでに8分咲きだ

この古木の下に志賀直哉「山科の記憶」の碑がある

川の水はキラキラと光を映し、名知らぬ鳥が囀る

どこからか漂う芳香は‥沈丁花の残り香か、



"いつ、紫香楽に移るか"、と考えれば

この桜風情も、わが「山科の記憶」になるのだろう

名残惜しい気がするのは、ただ、ただ花の性でなく

わたしの単なる「感傷」なんだろう





(=`´=)弥生晦日は「大和路の春」、ナンちゃって


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