「碌山」オルガンの思い出、
先月行った
安曇野穂高町
必ず行くのは
「碌山美術館」
荻原守衛(碌山)
の作品と素描が
静かな部屋に
飾られている
この館の重厚な木製ドアに洒落た飾りがある
「碌山美術館」1958
この館は二十九万九千百余人の力で生まれたりき
昔、友人のT君を訪ね松本にはよく行った
しかし、碌山美術館と出会ったのはもっと後だった
T君の実家は鄙びた穂高駅を線路沿い近くにあった
「面白い美術館に連れて行きます」たしか夏だった
当時は煉瓦造りの「館」の他には、書籍とベンチ、
このオルガンがひっそり置いてあった
新婚旅行に迷わずこのコースをいれた
それは紅葉が終り冬枯れを思わす初冬だった
すき間風が冷たい土間の部屋で震えてると
朴訥とした堂守さんが、ダルマストーブに薪をくべ
暖を取らせてくれた
このオルガンって、まだ弾けるのですか〜!
「下手ですが祝いに弾きましょうか♪」
詳しく覚えてないが‥教会音楽3曲ほど聴かせて貰った
何だか心がほのぼの暖かくなったのを覚えてる
それから3年ほど後生まれた長男をつれて訪れた
美術館を見て、このオルガンの室に入ると
「あの時の方でしょう」と人懐こい眼差しで
「お子様の誕生おめでとうございます」と微笑まれ
オルガンが聞きたいのですが‥と、お願いすると
童謡唱歌を何曲か弾いてくださった
帰り路、小舎から出ると朱く熟れた「柿」をもぎ取り
厚かましくもお土産に貰った
大きくてほんとうに甘い柿だったのを覚えてる
この小舎も広くなり佇まいもすっかり変わったが
このオルガンは部屋の片隅に置いてある
よく見れば右脚置く飾りが欠けたオルガン、
今回初めて、一日三度だけ鳴る鐘の音を聞きました
尖塔にはフェニックス鐘楼の音は高らかに12コ。
音色に触発されてか、思い出話をしていたら
どうやら記録が残っていた。
その人の名は、横山拓衛さんと云って
1988年に亡くなられたそうだ。
外に出れば、白い山法師が連なり咲いていた
山法師の花言葉は「友情」らしいが
安曇野を訪ね、碌山の作品と接し、美術館に来る
その度に思い出すオルガンとの思い出
横山さんが結んでくれた友情だろうか、
言葉遊び一句
「安曇野は青の時代や山法師」
(=`´=)「友情」は美しい思い出を残してくれる、テヘッ
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