あっ、

2013年06月27日 00:16

風もつよかった

吹き上げるような雨に

傘を斜めにし僕は歩いた



この清楚な紫陽花は

雨も風も避けたように

茂る木立の足下で

ヒっソリ咲いていた


僕にとって

紫陽花と6月の雨は

なぜか青春の記憶を呼ぶ



狭い急な階段の書店

下りるとき登る君とすれ違った

あっ、小さな声をのみこみ

同時にふり返り目が合った


記憶に残る君は肩筋まで伸びた髪、

目にした君は短髪だったが

清々しくよく似合っていた

交わした言葉は少なく別れた


それから半年くらい過ち

君が結婚すると聞いた


青春は、

どこか無口で恥じらって

ほんのり涙して

いつ迄も涸れることなく

いつも一番輝いている


あっ、

六月はーJune Bride

「花嫁」は幸せになるという


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